バーチャル界の委員長は、文章も面白い!月ノ美兎「月ノさんのノート」
ここ何年か、バーチャルYouTuber(Vtuber)が注目されている。
Vtuberは、いろいろなところに進出している。TVやラジオへの出演、声優デビュー、公式Vtuberによる企業のPRなど。普通のTVタレントでも、Vtuberファンを公言する人が出てきている。
そして、ついにVtuberが書いたエッセイまで出てきた。
それが今回の本「月ノさんのノート」だ。
この本と著者について
この本は、にじさんじ所属のVtuber、月ノ美兎さんのエッセイ集だ。
月ノ美兎さんは高校2年生*1で、にじさんじの最初期から活動している。
学級委員を務めていることから、ファンの間では「委員長」と呼ばれている。
(以下、この記事でも「委員長」と呼ぶことにする)
一人称は「わたくし」。
清楚な見た目に隠された強烈なキャラクター性が、多くのファンから愛されている。
配信だけじゃなくエッセイも強烈!
配信でも強烈なエピソードや個性的な反応を見せることの多い委員長だが、エッセイにも強烈なエピソードが多い。
・段ボール箱に入ることになった話
・エッセイの〆切がピンチになって、山の中の宿で書くことになったときの話
などなど。
突飛なだけじゃなく、共感できる所もけっこうある。
例えば、
・「まえがき」で、日記の文体について言っている部分。日記を書く人なら共感できると思う
・神絵師への嫉妬。イラストに限らず、創作をする人にはよくある悩みだろう
全体としては、大槻ケンヂのエッセイに似た感じがする。
フランクな語り口、笑える話、著者のサブカル趣味、ぶっ飛んだ部分と共感できる部分の同居など、意外と共通点が多い。
(ただし、大槻ケンヂの文章は話し言葉に近いのに対し、委員長のはもう少しネットのノリに近いものがある)
ついでに言うと、大槻ケンヂもホテルにカンヅメになってエッセイを執筆したことがあるらしい。
…あ、これは関係ないか。
最後に
この本は、ネット世代特有のノリも交えた賑やかな文体、委員長の強烈なキャラが表れたエピソードなど、見どころがたくさんある。
文章が軽くて読みやすいので、委員長のファンやVのオタクはもちろん、ネットのノリに抵抗がない人にはぜひ読んでみてほしい。
今回紹介した本はこちら
委員長のYouTubeチャンネルはこちら
※ここから余談…というか与太話。軽い気持ちで読んでください。なんなら読まなくてもいいです
…ところで、何らかの本が書けそうな知識、経験、センスなんかを持ってるVtuberって、にじさんじだけでも他に何人かいそうだな…。
(今パッと浮かんだのは、シスター・クレア*2さん、卯月コウ*3さんなど)
いちからさん、他のライバーさんの本も出せませんかね…?
(もちろん、事務所やライバーさん、出版社などの都合があって簡単に出せないのは重々承知しております)